Ubuntu 12.04 LTSでIPAフォントを埋め込んだPDFをLaTeXで作成する
(この記事は以前に http://nanatomo.com/program/latex/716 で公開されていたものです。)
Ubuntu 12.04 LTS で LaTeX環境をインストールし、さらに IPAフォントを埋め込んだ PDF を作成します。
Texmaker、jsarticleのインストール
Texmaker は今回用いる TeX の作成環境です。日本語文書用に jsarticle も導入するため、「okumura-clsfiles」もインストールします。
$ sudo apt-get install texmaker $ sudo apt-get install okumura-clsfiles
IPAフォントのインストール
TrueType版の IPAフォントは利用ができなくなっているので、OpenType版の IPAフォントを導入します。
$ sudo apt-get install otf-ipafont
その後、シンボリックリンクを貼ります。コピーではできません。ディレクトリ名が「truetype」のままですが問題はありません。
$ sudo mkdir -p /usr/share/texmf/fonts/truetype $ cd /usr/share/texmf/fonts/truetype/ $ sudo ln -s /usr/share/fonts/opentype/ipafont-mincho/ipam.ttf $ sudo ln -s /usr/share/fonts/opentype/ipafont-gothic/ipag.ttf
IPA フォントを指定するために、map ファイルを編集します。「/etc/texmf/dvipdfm/jis-cjk.map」をスーパーユーザとして次のように編集します。
%% fo[f:id:nanase_t:20130412152715p:plain]r jis fonts of ptex-jisfonts %rml-jis H Ryumin-Light %gbm-jis H GothicBBB-Medium rml-jis H ipam.ttf gbm-jis H ipag.ttf rml H :0:ipam.ttf gbm H :0:ipag.ttf rmlv V :0:ipam.ttf gbmv V :0:ipag.ttf otf-ujmr-h UniJIS-UTF16-H ipam.ttf otf-ujmr-v UniJIS-UTF16-V ipam.ttf otf-cjmr-h Identity-H ipam.ttf otf-cjmr-v Identity-V ipam.ttf hminr-h H ipam.ttf hminr-v V ipam.ttf otf-ujgr-h UniJIS-UTF16-H ipag.ttf otf-ujgr-v UniJIS-UTF16-V ipag.ttf otf-cjgr-h Identity-H ipag.ttf otf-cjgr-v Identity-V ipag.ttf hgothr-h H ipag.ttf hgothr-v V ipag.ttf
「rml H :0:ipam.ttf」から先の記述は、一部のtexファイルをPDFにした時に正しく埋め込まれない場合があるためです。
その後、設定を反映させておきます。
$ sudo mktexlsr $ sudo update-texmf
Texmakerの設定
ここから先は以前のバージョンと変わりません。
Texmakerを起動し、メニューの Options - Configure Texmaker を開きます。
Commons のページで、「LaTeX」の部分を、
latex -interaction=nonstepmode %.tex ↓ platex -interaction=nonstepmode %.tex
「Dvipdfm」の部分を、
dvipdfm %.dvi ↓ dvipdfm -f jis-cjk -p a4 %.dvi
のように変更します。 (-p オプションはページサイズ、未指定でも大丈夫です)
次に Quick Build のページで、「LaTeX + dvipdfm + View PDF」を選択します。
最後に Editor のページで 「Editor Font Encoding」を「EUC-JP」に選択します。ただしUbuntu 12.10以降はUTF-8に対応したplatexがインストールされるためこの操作は必要ありません。