頼りないニモニック

はっきりいって個人の日記レベル

プリッキーヌの栽培についてまとめ

ここ2年でトウガラシを自宅で栽培し始めたので、私的なメモ代わりの意味でも栽培法をここに記しておきたい。 まとめるのはトウガラシの亜種、キダチトウガラシの一品種である プリッキーヌを小鉢で栽培する場合のみ 記す。

種の入手

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八幡屋礒五郎公式サイトより引用

八幡屋礒五郎の栽培缶 が本種であるので最も確実。栽培キットとなっているので値段は少々高め。 おすすめの購入期間は 12月~4月上旬。

土も乾燥圧縮されて封入されているので購入時、特に1年目に関しては後述する鉢の用意と土作りは省略して構わない。 種は10粒以上入っているので別の鉢を用意して栽培する場合は土作りが必要。

鉢の入手

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栽培缶は高さが10cmあるが、概ね高さが8cm以上の鉢なら育成に問題はない。もっと小さい鉢でも育成可能だが、水の管理が難しくなるためおすすめしない。 購入は百均などで購入する。なお、鉢の下部に水抜き用の穴が無い場合は必ず数カ所穴を開ける。その場合、画像のような水受け皿を購入する。

土作り

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基本的に野菜用の土を購入し、肥料を使って構わない。ただし、2年目以降は連作障害と害虫の危険性が高まるので毎年土を交換したほうが無難。

鉢を作る際は霧吹きなどで土を湿らせながら、若干押しつぶすようにして土を盛っていく。表面は平ら、または種まき予定の部分を5ミリ程度盛り上がらせる。

種まき

気温が安定して 20℃ 前後の日に種まきを行う。種まき後の天気は晴れが続くと発芽がしやすい。

あらかじめ土を湿らせておき、種は 2ミリほどの穴 を掘り、種が緩く隠れる程度に土をかける。種自体が小さいため、この作業は箸を使って行うとやりやすい。

種まきが済んだら、すぐに鉢の上に乾燥防止のためのラップを優しくかける。このラップは発芽後は必要ない。発芽まで土を乾燥させないようにする。種が流失したり、露出したりしないよう、発芽まで水やりは霧吹きで行う。

なお鉢で複数の株を育てる場合は、鉢のサイズにもよるが最終的には 2株 が現実的な上限。これ以上は育成が阻害される。

保険のため、数粒同じ場所に種をまいてもよい。その場合は発芽後に間引きが必要。発芽率は 70% 程度。

発芽

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天気が安定すれば最短で5日、標準的には1週間から2週間で発芽する。1ヶ月経ってから発芽する場合もある。

多く発芽しても鉢に3株以上ある場合や、株が4cm以上離れていない場合は間引きを行う。間引きは、ハサミを使って茎から切る。引き抜こうとすると、根が深いため、健全な株まで抜けることがある。

発芽後は日向に置き、土の表面を乾燥させないように水やりを行う。水やりの頻度は1日1回以上。水の量は多くても良い。

株を育てる

発芽してから2ヶ月程度は株を育てることに集中する。数週間ごとに野菜用の液肥を使うこと、水やりを欠かさないことを守る。

液肥が足りない場合は葉が株の下部から黄色に変色していく。水が足りない場合は株全体の葉が萎れる。後者の場合、水をやることで半日程度で復活する。

日照は多いほうが良い。自宅の場合は正午前を中心に5時間程度しか日照がないが、育成に問題はなかった。また、温度は20℃以上30℃以下を維持する。30℃を超えると育成が阻害されることがある。また、寒暖差に若干弱いためエアコンの下などは極力避ける。

屋外の場合はアブラムシ、室内でもコバエが発生することがある。それぞれ牛乳霧吹き、粘着棒などで対処する。

開花まで

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株が十分育つと茎が Y字 に分岐し、その股の部分に最初の蕾ができる。ただし、最初の蕾は育成の難しい猛暑時などにできるものがほとんどのため、ほとんど枯れてしまう。 その場合でも株が大きければ次々に分岐するので、後続の蕾を優先して育てる。

蕾が枯れてしまう場合は日照が足りない、水やりが足りない、肥料が足りない、温度が高すぎるなどの原因が考えられる。

蕾は垂れ下がっており、開花しても垂れ下がったままである。結実すると、上方を向くようになる。

受粉

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開花すると白い花の中に雄しべと雌しべが見える。花は午前中は開き、夕方になると閉じる。

室内栽培の場合は人間の手で受粉が必要。受粉は綿棒を使い、花の下に指を添え、雄しべの花粉や指にこぼれ落ちた花粉を取り、別の株の雌しべにこすり付ける。別の株である理由は自家受粉を防ぐため。株ごとに綿棒を使い分けるほど厳密に行う必要はない。

受粉が完了すると翌日午前は開花せず、自然に花が落ちる。受粉が正常である場合は花が落ちる頃には結実し、実が見えていることが多い。受粉失敗の場合は結実せず、花のみが落ちる。

結実と収穫

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結実すると急速に実が成長する。赤く色づいたら熟した合図。熟しても株が枯れるまで枝に残しておいても良い。

収穫時は実がついている枝から切る。乾燥させない場合はヘタは取らずに保存する。

収穫後の加工と種とり

ヘタを取る作業後は必ず 手をビニール手袋で保護 すること。

乾燥や種を取る場合は、ヘタを取る。その後はクッキングペーパーなどの上に並べ、風通しの良い日陰で乾燥させる。乾燥させた実は簡単に砕け、中から種を5粒から10粒程度採取できる。種を採取後は乾燥した涼しい暗所で保管する。

プリッキーヌは激辛だが小型なので乾燥フレークとすればどんな料理にも合う。

後片付け

日本の気候では越年できないので株は冬になると枯れる。

再利用のため、枯れた株や葉を細かく刻み、翌年に使う土に混ぜて利用する。

わかっていないこと

2年を経て種の撒き方や育て方の知見は得ているが、連作障害については来年の3年目に検証予定。